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血糖測定と誤差と指と

  • 糖尿病

江部康二先生、昨日講演前にぎっくり腰になられたそうです。

かく言う私、実は腰痛持ちで、たまに動けなくなる時があります。

以前に動けなくなったとき、整形外科で「腰の名医」と呼ばれているドクターの診察をウケたのですが、

「何の異常もありません」

ほな、なんでこんなに痛いし足まで痺れてんねん。

こんな診察でもお金は取られます。

治せへんねんやったら金返せと思った、あらてつです。

所詮、日本の整形外科なんてこんなもんか・・・

norikkyさんから、わたしのわたしの彼は左利っき~♪じゃなくて、血糖自己測定についてどっちの指で測るのか、ご質問頂きました。

『素朴疑問。左?右の薬指?私は右利きです。
あらてつさんのブログ楽しくおかしく読ませていただいています^^
てか~~フンで宝くじ買わなかったのですか?・・
当選してたかもです。^^
さてさて、素朴な疑問です。私看護師です。
健診で食後高血糖値に気づき血糖値測定しまくっています。
私は右利きのために血糖測定は左の薬指で測定が大半です。
ある時1時間値が170で驚き右の薬指で測定し直すと213でした。
左薬指では境界型 右薬指でいけば立派な糖尿人です。
これ以降は糖質制限食してますが測定する指によっては最悪+-30の変動がある事にきづきました。
さらに、1時間値 2時間値に関しては 右も左も+-30前後違う測定値。空腹時や食後3時間値以は+-10前後です。
ってことは・・当初は、左・右私は どっちを信用すればいい?と思ってましたが、左薬指で測定後の数秒で 右薬指測定に要する時間で インスリン分泌量で変化していると考えていいのでしょうか?
機器はグルテストエースR 定期的に更生チップ入れて問題ありません。
あ、後、もやしカレー炒めは測定したら表記上 炭水化物18.9gでしたが 血糖値は最悪でした。1時間値200 2時間値140 3時間値も140でした。
↑左薬指・・・です。
結論 測定する指で変動してますが。 私は 左で判断してます。あらてつさんは、どの指つかっていますか?』

はいはい、norikkyさん、コメントありがとうございます。

素朴にお答えしますと、私は糖尿人ではないので、自己測定器で測ってもデータとして使えないので、実験台になるときは高雄病院で採血して測ります。

まあ、試作途中の商品なんかを食べた時は、もらいもののニプロの自己測定器があるので、指じゃなくて手のひらや腕で測ったりしますが、そもそも、自己測定器自体がエエ加減なので、やっぱり病院で測るのが一番いいかなと。

norikkyさんも仰ってますように、右と左でも違うし同じ場所でも全然違ったりします。

これは、インスリン分泌量の変化というより、単純に機械の誤差じゃないかですかね~。

私どもの商品開発で血糖測定は必須ですが、自己測定器の結果は、あくまで目安程度にしかしてないですね~。

この自己測定器の誤差について、江部康二先生が以前ブログに書いておられたので、以下、抜粋させて頂きました。

「結論からいうと、血糖自己測定器の誤差は、DM整形外科医さんのデータのごとく、±20%くらいあります。特に食後は、誤差が出やすいです。
そういったことを承知の上で、上手に使えば、おおいに役に立つと思いますよ。
まあ、早朝空腹時血糖値は比較的安定してますし、食前・食後血糖値の差を見るのには少々の誤差は問題ないと思います。
例えば、牛ロースステーキ200g(1000kcal)を食べても食後血糖値は3mg未満しか上昇しませんが、白ご飯1膳(150g)食べたら、食後血糖値は160mg以上上昇します。
こういった、通常はお医者さんが教えてくれないような生理学的事実が、自分で確かめられるのは大きな利点といえます。
“self-monitoring of blood glucose”血糖自己測定、頭文字をとってSMBGといいます。
食事療法、運動療法、薬物療法につぐ糖尿病治療の第四の柱といわれる血糖自己測定ですが、どんどん進歩して、5秒程度の時間で、以前より少量の血液(0.3μL~0.6μL)で測定でき、かなり便利になりました。以前は、採血量が3μL必要で、測定結果も30秒必要でした。
「SMBGをすると、それ以前に比べてHbA1cが0.5%下がった」という米国の報告もあるようですので糖尿人必須のアイテムかもしれませんね。 (^^)
血糖値は、
「動脈血>毛細血管血>静脈血 」
の順に高くなります。
動脈から静脈に流れるにしたがって、筋組織などにブドウ糖を供給していくので、消費されて血糖値は少しずつ低くなっていきます。通常、特に食後においては、動脈血は静脈血より10~20mg血糖値が高いとされています。
病院の器械による血糖測定は、静脈の血液の血漿成分の血糖値です。一方、SMBGでは、指先の穿刺による毛細血管全血でです。
即ち、指頭のSMBG(毛細血管血)のほうが、10~20mg、病院の静脈血より高値となります。
また、病院や検査機関の検査機器に比べると、簡易血糖自己測定器の誤差は、かなり大きいです。
センサーのロット誤差、個別誤差、機器の精度などいろいろあるので、メーカーの言う20%程度の誤差は、仕方ないと考えた方がいいですね。( ̄_ ̄|||)
例えば、江部康二の2009年10月16日の午前8:30の、空腹時手掌血糖値(毛細血管血)がSMBGで143mg/dl もあって、びっくりしました。
それで丁度いい機会なので、30分後の午前9時過ぎに江部診療所で空腹時採血して、微生物研究所に検査を依頼しました。
その結果は100mg/dlでした。毛細血管血>静脈血ということを割り引いても、約20%の誤差ですね。
また、高雄病院に入院された糖尿人がSMBGを持っておられたら、病院のデータと比較することがあります。
誤差は10~20mgていどまでのことも多いですが、やはり食後の血糖値では、40~60mgの差があることがあります。
高雄病院での経験による私見ですが、早朝空腹時血糖値は、メーカーのいうとおり誤差は10mgていどですむ可能性が高いですが、食後血糖値は、10~60mgの誤差が現実に生じるケースがあります。
次にSMBGの機種による差ですが、グルテストエース、グルテストNEO 、グルコカードα、デキスターZは、他の機種に比べて低値を示すようです。
これらの機種は、指頭血(毛細血管血)を静脈血換算して表示しているので、低めにでるということです。通常の検査では、摂取する食べ物による機種の差異はありません。
血糖自己測定器の測定原理によって、輸液や透析液の影響を受けることがありますが、糖尿人が自分で自宅でSMBGをしている分にはまずそういうことはありませんね。
さて、ブログ読者の皆さんからSMBGについてたくさんのコメントをいただきました。まとめると、痛くなくて早くてエラーがなく、使いやすいのは
ニプロフリースタイルフリーダム
アキュチェックアビバ
グルテストNEO
あたりかなと思います。
1 痛くない
採血量が以前の機種が3μL必要なのに対して、
ニプロフリースタイルフリーダムは0.3μL
アキュチェックアビバ、グルテストNEOは0.6μL
と少ないです。これくらいの量だと、針で刺した皮膚の穴も小さくてすむので、痛くないのです。
また、ほとんどの機種が指先からの採血なのですが、ニプロフリースタイルフリーダムは、指先以外に、手掌、前腕、上腕、太股、ふくらはぎでもOKです。指先を使う仕事の人にはアドバンテージですね。
アキュチェックアビバ、ワンタッチウルトラも、指頭だけでなく手掌でも測定できます。その分、採血時の痛みはほとんど無いです。
私自身の経験では、指先はやはり敏感な部位ですので、たまに痛いことがあります。とくに3μL必要な旧型アセンシア・ブリーズではやや痛かったです。
最も簡単なのは手掌で、穿刺器具の針の深さは1(1~5まであります)と一番浅くして、外套を軽く押し込んで穿刺し、もう一回外套を軽く押して血液をしぼります。ニプロフリースタイルフリーダムはこれで大丈夫です。
2 早い
ニプロフリースタイルフリーダムとアキュチェックアビバは測定時間5秒と、おそらく全機種中最短です。グルテストNEOも5.5秒で、ほとんど遜色なしですね。
3 エラーがない
やはり、採血量が少ないほどエラーも出ないと思います。私もアセンシア・ブリーズのときは3μL必要なので、検体量が足らない時にエラーがでました。その意味では、ニプロフリースタイルフリーダムは0.3μLで最小の検体量ですね。
4 穿刺針の廃棄
アキュチェックアビバは、穿刺針がドラム式になっていて6回打てます。
針先に触れずに捨てられるので、小さいお子さんがいても安心です。
アセンシアブリーズ 18000円
アセンシアブリオ 11,600
ニプロフリースタイルフリーダム 14,700
ニプロフリースタイルフラッシュ 15,750
プレシジョンエクシード 12,600
メディセーフミニ 16,065
アキュチェックアビバ 16,222
アキュチェックコンパクトプラス 16,779
ワンタッチウルトラ 14,175
グルテストNEO 16,590
グルテストエースR 15,540
グルコカード ダイアメーターα 19,425
Gチェッカー 10000
といろいろありますが、お奨めは
ニプロフリースタイルフリーダム
アキュチェックアビバ
グルテストNEO
などです。
上述の特徴を参考にしていただいて、適宜選んでいただけば幸いです。
江部康二」

です。

norikkyさん、参考になりましたでしょうか?

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