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糖質制限ってブームなんか?

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先日、事務所の机を大掃除していましたら、江部康二先生が来られて

「ん?片付けてんの?」

はい、余計なものが溜まり過ぎましたので…

「片付けなんか、あっしには関係ないことでござんす。」

と、笑いながら帰って行かれました。

“片付け魔”の称号(?)を頂いてしまった、あらてつです。

あの机は片付けたくなります(笑)

さて。

今朝も江部康二先生のお部屋を掃除しておりましたら、机の上に週刊ポストが置いてありました。

週刊ポスト誌、昨年、江部康二先生への取材の窓口を他の者に引き継いだので、最近はどうだか分からなかったのですが、糖質制限食がブーム(?)になる前からちょくちょく取材の依頼があり、ヒステリックな感情的批判じゃなくて、概ね好意的に記事を書いて頂いてました。

久しぶりに取材の依頼でもあったんかな?と思ってパラパラめくってみますと、江部康二先生が7日のブログで記事にされていた号でした。

内容的には、江部康二先生も書かれておられましたように、糖質制限に肯定的な意見と批判的な意見の両方を載せており、国民から受信料を取ってるクセに偏向報道しかしない某国営放送や、ジャーナリズムが聞いてあきれる某読売新聞と大違いな内容です。

ただ、記事の中で気になったのが、「糖質制限ブーム」だとか「糖質制限戦争」と言った文言です。

記事の内容に関してどうこうってわけじゃなく、この「ブーム」って言葉はどうなんかなぁと。

2005年に「主食を抜けば糖尿病は良くなる」で、初めて世に出た「糖質制限」なる言葉ですが、最初はそれこそ怪しい民間療法のキワモノ扱いだったのですが、江部康二先生の地道な啓発活動で、徐々に徐々に広がっていきました。

それでも、マイナーはマイナーで、まだまだ「糖質制限?なにそれ?」と言った程度の認知度の日々が続いたんですね。

この状況を一変させる出来事が2つ。

まず一つは、2012年1月15日(日)第15回日本病態栄養学会年次学術集会(国立京都国際会館)にて行われた
「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」というディベートセッションです。

この日を堺に、江部康二先生のブログのアクセスが15000/1日を突破、吊られて私のブログも1日3000/1日の閲覧件数と、それまでの倍になりました。

さらに、医療関係者からの講演依頼がうなぎのぼりに増え、医師会や保険医教会など、真っ先に糖質制限食に反対していたような団体から「是非ご講演を」と電話が掛かるようになりました。

変節ぶりに笑けてきましたけどね。

さらに2つ目。

2012年6月17日、桐山秀樹先生の「おやじダイエット部の奇跡」が、TBS系の「アカルイ☆ミライ」で紹介され、ちょっとした「糖質制限ブーム」到来。

江部康二先生の1日のブログアクセスが2万件を突破、私のブログも多い時で4000件に達する日があり、雑誌やテレビの取材も急激に増えました。

ですが、「流行りは廃り」の言葉通り、「ちょっとした流行り」も2012年いっぱいで、2013年からはブログアクセスも減り、マスコミの取材もパッタリと止まりました。

私としては、「ちょっとしたブーム」で終わってくれて良かったと思います。

ブログのアクセスは減りましたが、本当に糖質制限を必要としている方が見に来てくださっているのであり、マスコミの取材は減りましたが、医療関係者からの講演依頼は更に増え、2013年の講演の9割が医療関係者向けとなりました。

このまま、本当に必要な方に広がって行けばいいななんて思ってますと、今度は「糖質制限戦争」。

大手食品会社も参入などと、さも「ブーム到来」のような言葉が。

以前にこんな記事書きました。

『糖質0』ついにここまできたか!ってとこですね~。日本ハムのホームページ見てビックリしました。

これまで、大手メーカーさんで糖質がどうこういうってたのは、飲料業界だけだったんですが、食品メーカーさんもやりだしんですね~。

糖質制限を実践している身では、選択肢が増えるのは嬉しい限りですが、一抹の不安が…。

日本ハムみたいな大手がやりだすと、「糖質0発泡酒」のときみたいに、恐らく他のハム・ソーセージメーカーも、やりだすでしょう。

すると、ハム・ソーセージ以外の食品メーカーも、「なんで糖質0なのか」本当の意味を理解せんまま、我も我もと「糖質0」の新商品を出してくると思われます。

「糖質0」は一大ブームになり、町中に「糖質0」を謳った食品があふれます。我々は、糖質制限を実践中でも、食材選びに困らなくなった、いい時代になったもんだと喜びます。

ところが、「流行りは廃り」ます。「なんで糖質0なのか」なんて考えず、「売れてるからうちも糖質0を作れ!」と参入してきたメーカーさん、次に流行りそうなモノが欧米からくると、一斉に「糖質0」から手を引きます。あれだけあった「糖質0」が、町から姿を消し、そして誰もいなくなるのです。

これって、日本のメーカーがいつもやっていることですよね。

日本のメーカーさん、時流を作り出すより時流に乗ることしかできません。煽るだけ煽ってポイっなんて、平気でしますからねー。

今後の「糖質0戦争」、流行だからではなく、なんで糖質を気にしなきゃならないのか、そこをちゃんと理解して「糖質0」を作ってくれるメーカーさんが増えくれることに期待するしかないですね。

糖質制限って、ただ単なる健康方じゃなくって、それこそ命かけて取組んでる方々がおられるわけですよ。それなのに、糖質0が流行ってる、儲かりそうだからと飛びついてきて、ブームが去れば、次のブームを探す、これって、あまりにも無責任だと私は思います。

糖質制限がいっときのブームになり、怪しい方々がどんどん出てくる。

おおよそ糖質制限と言えないような商品を、糖質制限ですと大々的に謳って販売し、ブームが去ったら「はい、サヨウナラ。」

結局、「ほらみろ、糖質制限なんて所詮インチキだったじゃないか!」と反対する方々は大喜び。

その結果、不利益を被るのは、誰でもない、江部康二先生や私のブログを読んで下さってる皆さん、本当に糖質制限を必要としている皆さんです。

「糖質0戦争」を「糖質制限戦争」に置き換えれば、そのまま現在の状況に当てはまると思います。

「ほらみろ、糖質制限なんて所詮インチキだったじゃないか!」ってならなければいいんですが…。

 

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